お待たせしました!
さてさて、いよいよ始まります春風寮の新企画!
春風寮が日頃からお世話になっている関係事業者の皆さまへの恩返しとして、ご協力いただいている関係者の皆様へインタビューし、お仕事の内容や魅力などをご紹介する連続企画です。
その記念すべき第一弾として、今回はこの方にお話しを伺いました!
その名は松野 久男さん!(株式会社昇永シニア事業部責任者)
(拍手!👏👏👏
(インタビューにお応えくださっている松野さん)
松野さんには春風寮からアパートへお引越しされる方々のお部屋探しをしていただいています。松野さんへ物件の希望条件(立地や階段有無など)についてお伝えすると、なるべく希望条件に近い物件を探してくださります。
しかも!!!なんと!!!
内見や契約の際に、車で送迎までしてくださるのです😭(ありがたい)春風寮からアパートに退所される方の中には、杖で歩かれている方もいます。良さそうな物件が見つかったとしても、春風寮から少し離れた場所にある場合には内見に行くことも大変になってしまいます。
でも大丈夫。安心して。
なぜなら、松野さんが車で送り迎えしてくださるから!!😭😭(本当にありがたい)そこまでしていただける不動産仲介業者さんはなかなかおりません!今回はそんな松野さんに、お仕事のやりがいについて伺ったり、高齢者がお部屋探しを行なう際のポイントについて教えていただいたりしました!
それではどうぞご覧ください!
~松野さんのお仕事とは~
(インタビューアー吉田職員)
本日はよろしくお願いします。
まずは読者の方へ向けて、自己紹介をお願いします!
お仕事についても教えてください!
(株式会社昇永 松野氏)
株式会社昇永の松野です。
シニア事業部として高齢者支援に特化した業務をしています。
ご高齢の方が住み替えされる際に、お部屋探しや施設探しなどをお手伝いしています。
有隣協会さんの事業と重なる部分も多くて、春風寮以外には「大田区生活支援付すまい確保事業」にも関わらせてもらっています。
住み替え支援の他には、老人ホームの紹介、遺品整理、片付け、財産整理、解体リフォームも行なっていて、ワンストップで対応できるのが、弊社の強みですね。
ありがとうございます。
松野さんがこのお仕事に就かれた“きっかけ”は、
どのようなものだったのでしょうか。
今の仕事に就く前は訪問診療の仕事をしていたのですが、その時に世帯分離やゴミ屋敷などに遭遇しました。行政の担当者が変わることで業務が進まなくなることに歯がゆさを感じていたので、いろいろとやりたいと感じたんです。
自分としては「ひとり包括支援センター」というイメージで、高齢者の転宅に関わる仕事で自分を活かしたいと思ったことがきっかけでした。
松野さんがお仕事にやりがいを感じるのは、どんなときですか?
おかげさまで常にやりがいを感じながら仕事をしています。
特に、利用者の方々の節目節目に関われることにやりがいを感じます。
“節目節目”と言いますと?
例えば、施設にご入所されるのであれば、ご自宅を出ていくことになります。結果的には帰る場所としての自宅を失ってしまうことが実際には多いです。そのような場合にはご自宅を泣く泣く売却することになります。
住まいが変わるタイミングが人生の転換期になることって
ありますもんね。
そうなんです。そういう人生の転換期は、その人にとって人生の大きな節目です。
そこに関われることに大きなやりがいを感じます。
人生の節目や転換期に関われることにやりがいを感じていらっしゃるんですね。
このお仕事で苦労されているのは、どのようなことですか?
身寄りのない方を入居させることについて理解のある不動産管理会社やオーナーさんを探すことに苦労しています。ご高齢の方は身寄りのない人も多いですが、緊急連絡先や保証人になってくれる人がいない場合の転居は少し難しくなります。
不動産会社やオーナーさんも空室のままにしておくことは不本意です。しかしながら、ご高齢で身寄りがない人については孤独死のリスクも高くなるので、オーナーさんたちとしては貸し渋ってしまう現状があります。
入居後の生活が上手くいくとオーナーさんたちとの間で信頼関係ができてくるので、すこし前進することもあります。
でも、トラブルが起こるとまた振り出しに戻ってしまいます。その繰り返しですね。
オーナーさんたちの理解を得るためにご苦労くださっているんですね。頭が下がります。
実は大田区は全国で2番目に空き家が多い自治体だという調査もあって、
行政も課題としてとらえている問題ですね。
お部屋を借りたい人がいて、お部屋を貸したい人もいる。
なのに、そこのマッチングがうまくいっていません。
春風寮の強みは、春風寮入所中に利用を開始した訪問介護や訪問診療などのサービスを、アパートにお引越しした後にもそのまま利用できることです。
アパートでの一人暮らしが開始となった後にも安定した生活を送れるようにしています。
松野さんたち不動産仲介会社が不動産管理会社やオーナーさんたちと
信頼関係を築けるように、私たちも一層頑張らなければと思いました。
~高齢者がアパート探しをする際のポイント~
高齢者の住み替えに際して、
何かポイントなどがあれば教えてください!
ポイントはいくつかあります!
まずは身分証明書類の準備です。顔写真入りの身分証を持っていない人が結構多いです。せっかく気に入った物件が見つかっても、身分証を準備している間に他の人に物件を契約されてしまうことがよくあります。
それは勿体ないですよね、 、 、
そうなんです。都内在住の高齢者は運転免許証を持っていないことも多いので、有効な身分証は「マイナンバーカード」くらいになります。パスポートでも大丈夫ですけど、高齢者や生活保護の方は持っていなかったり有効期限が切れていたりすることが多いですね。
管理会社からすると住民票や住基カードに顔写真を添付する方法でも大丈夫なこともあるのですが、保証会社の審査には通らなくなってきています。
身分証の準備、大切ですね。
他にはどんなポイントがありますか?
緊急連絡先の確保ですね。保証人は立てられなくても保証会社を利用することで補えるのですが、緊急連絡先はどうしても必要です。
そうなんですよね。
大田区は「緊急連絡先代行サービス」を利用する際の利用料も助成していますし、
こちらを利用するのも手ですね。
それから、お部屋探しをする時には築年数も気にすると良いです。
築年数が長い物件だと近い将来に取り壊しをする場合もあります。そうなると、せっかくお引越しをしたのにまたお部屋探しをしなければならなくなってしまいます。
二度手間になってしまいますね・・・
そうなんです。なので、私がお部屋探しをお手伝いさせていただく時は
念のため、そのような予定があるかを確認します。
そんな配慮もしてくださってたんですね!
ありがとうございます!
いえいえ!
それから、契約形態が定期借家になっていないかということも確認すると良いです。
たとえば2年間の定期借家契約だとすれば、2年後には契約の更新ができません。
またお部屋探しをすることになりますね・・・
随時更新できるものとできないものもあります。
なので、確認してから契約を結ぶようにすることが大切です。
ポイントをまとめると、
① 顔写真入りの身分証を準備しておく。
② 緊急連絡先を確保する。
③ 築年数を確認する。
④ 定期借家契約でないことを確認する。
この4点が大切ということですね。
~アパートに入居してもらうために~
高齢の方や生活保護を利用している方が入居できる物件は
見つけにくいと思うのですが、
大家さんとはどのように交渉されているのでしょうか。
大家さんと交渉するのは管理会社なので、大家さんより管理会社が肝です。相談者の詳細な情報を管理会社の担当者に事細かく説明することで安心感を持ってもらうようにしています。
大手の管理会社では生活保護という言葉で「無理です」という反応がほとんどなので、
地場の管理会社にアタックしています。
大手の管理会社と比べると、地場の管理会社が管理している物件は少ないですよね。
その分、アタックする回数も増えてしまうと思うんですけど、
何件くらいアタックされているんですか?
何百件もアタックしています(笑)
何百件もですか(笑)
そのうちどれくらいが成約にまでたどりつくんですか?
内見までお連れしても、成約にまでつながるのはなかなか難しいことが多いですね。
たとえば「大田区生活支援付すまい確保事業」のように定期的な見回りなどがある場合には、そのことを丁寧に伝えることで信頼を得られるようにしています。
そういう事細かな情報を管理会社に伝えてくださる不動産仲介会社って、
他にもあるんですか?
他の会社では、事細かな情報提供はしていないですね。
お客様が来店して相談する場合と、我々のような仲介業者から相談する場合とでは、対応のされ方が全然違うと思います。だからこそ僕たちが手間暇をかけることが重要なんだと思っています。
~なぜ、春風寮にも協力するのか~
春風寮からアパートにお引越しする方は、ほとんどが生活保護を利用中の方です。
生活保護の住宅扶助額は上限53,700円ですが、その家賃の物件数には限りもあります。
しかも、仲介手数料も少額となってしまいます。
そのように大変なご苦労が重なってしまうにもかかわらず、
春風寮を利用する方々のアパート探しにもお力添えいただけているのは、
なぜなんですか?
ワンルームタイプのお部屋だと家賃相場も6万円台ですし、そう考えると生活保護の場合にも仲介手数料が少額とは感じていません。
本来は成果として売上を高めることも大事ですが、手数料のことよりも、まずは自分の地元でもある大田区での「お困りごと」に対応すること、地域に貢献することが重要でした。自分自身も「空き家を何とかする!」という気持ちで仕事をしています。
本当に頭が下がります・・・
転居後、老人ホームに移ることになる場合もあると思います。そうした時に、自分を思い出してもらえれば嬉しいというスタンスで仕事をしています。
~今後やりたいこと~
今後やりたいことがあるんです。
やりたいこと、とおっしゃいますと?
弊社ではお部屋の整理で家財処分とかもしているので、不用品となった家電などもあります。それを保管しておいて、必要とする人に再利用してもらえるような仕組みを考えていきたいです。
春風寮からアパートにお引越しされる方のなかには
「どうしてもテレビだけは欲しい!」っておっしゃる方も多いです。
生活保護で支給される家具什器費ではテレビを購入できないので、
自費で準備することになります。
もし不要となったテレビなどを再利用できるのであれば、
地球にもやさしい“SDGsな”取組みになりそうですね!
テレビをどこで保管しておくのかとか、色んな課題もあってなかなか難しいことも多いですけど、いずれ形にしていけたら良いですよね!
もし可能であれば、有隣協会さんとのコラボ企画として、地域限定とかで事業化できたらやってみたいですね~!会社がGOサイン出してくれたらですけど(笑)
たとえば有隣協会の施設で余っているスペースがあれば、
そこを保管場所として利用することも出来そうですよね。
色々とアイディアはあると思うので、
このブログを読んだ法人の上の人たちが
決断してくれるといいなぁ~(笑)
弊社としても会社がGOサイン出してくれたらですけどね、
なんせ全くの持ち出しになってしまうので(笑)
GO出るかなあ(笑)!!
(写真撮影時のみマスクを外しております。)
今回は株式会社昇永の松野さんにお話をうかがいました。
松野さん、本当にありがとうございました!
これからも何卒よろしくお願いいたします☺
次のインタビューは あの人 (どの人?)にお話を伺ってみたいなぁ~☺乞うご期待!
インタビュー:吉田
写真・文字起こし:内藤
Presented by 春風寮
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