いつも有隣協会のブログをご覧いただきありがとうございます。居住支援担当の米澤です。
令和5年1月13日、「大田区居住支援協議会」と「大田区福祉人材育成・交流センター」が主催する庁内、関係者対象の「住宅確保要配慮者研修」に講師として登壇させていただきました。
これまでにも何度かこのような研修に講師として参加させていただく機会がありましたが、今回も大田区役所、社会福祉協議会、包括支援センター等、様々な業務を担っている方々に大勢参加していただきました。
前のブログ(高齢者の住宅確保ってそんなに難しいの? ~高齢化社会における住居問題~)でも記載させていただきました「住宅要配慮者」ですが、前回から2年の歳月が流れ、ずいぶんと実践を積み上げ、多くの方の「困った」に触れてきたと感じています。
研修の中では「地域での中長期的な生活を支える支援」として事例を交えてお話をさせていただきましたが、参加されている皆さんがあまりにも熱心に聞いてくださるので少々時間をオーバーしてしまいました。職場や家庭では「話が長い」「最後まで話を聞くと、最初に何を言っていたのか覚えていられない」って嫌われるので、熱心に聞いてもらえると余計に話が長くなる悪癖があります。
↑登壇する筆者↑
さて、研修の内容について改めてここでも少しお話をさせていただくと「住宅要配慮者が地域で中長期的に生活していくには」という部分に焦点を当ててお話をさせていただきましたが、「地域支援」における最大の焦点は「早期発見・早期解決」であると私は考えています。それは、「課題が発生してから対処する」という対症療法ではなく「課題を予防する」という予防的支援こそが必要だからです。
現在大田区におきましても「重層的支援体制整備事業」が推進され、多様なジャンルの重なり合った複合課題を解決するために、行政、民間協働で連携を図る仕組みの構築に取り掛かっています。
これまでもインフォーマルな連携において「重層的支援」と呼べるものは各所で形成されていました。しかしながら、限定的な範囲を出ておらず、まだ「継ぎ目のない支援」と呼べるのではありませんでした。
以前のブログでもお話ししましたが、「ひとつの事業所・ひとつの事業」で解決できることは意外と少ないのです。数ある支援施策と支援職の力を地域課題に対して重ね合わせることで初めて、「重層的」という言葉に本来的な意味を持たせることが出来るのだと思います。
そのためにも、各所が連携して地域の課題を早期に発見・支援を行っていく。支援職も被支援者も地域住民もひとりひとりが当事者となって地域を支えていく。このようにして「地域の支えあい」は実現していくと強く信望しています。
最後となりましたが、貴重な機会を提供してくださった大田区福祉人材育成・交流センター様、研修に来てくださった皆様、誠にありがとうございました。この場を借りて改めて御礼申し上げます。
住宅確保要配慮者や地域福祉、重層的支援などに関して、講演のご用名がございましたらぜひお問い合わせください!
社会福祉法人 有隣協会
大田区支援付きすまい確保事業 相談員
米澤 由得
~参考HP~ 厚生労働省「地域社会のポータルサイト」重層的支援体制整備事業について