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【浜川荘】ソーシャルワーク実習指導Ⅱ・精神保健福祉援助実習指導Ⅱ in文教大学(2023/06/20)

 こんにちは、浜川荘の海野です。猛暑日が続いておりますが、皆様お元気でしょうか?

 今回、私の母校である文教大学・越谷キャンパスにお邪魔し、実習前の学生の皆さんに対し、大竹施設長と海野で更生施設について講義を行ってきましたのでご報告させていただきます。

 文教大学での講義は昨年に引き続き2回目という事で、社会福祉士・精神保健福祉士の実習を控える学生さんに対して、大竹施設長から「有隣協会の理念と歴史」と「生活困窮支援の全体像」を説明した後に、「更生施設とは?」「実習のポイント」という2点に絞って講義を実施いたしました。

 

 更生施設と聞くと、法務省管轄の更生保護施設と間違われる事が多いと思いますが、私達の施設は生活保護法における保護施設です。更生施設では、居室・食事等の提供、生活用品貸与をはじめ生活に必要なものを現物で提供し、さらに、健康回復や生活の立て直し等個々の利用目的に沿って支援を行います。講義の中では、学生さん達がイメージしやすいように、アルコール依存を抱える利用者のケース、統合失調症を抱える利用者のケースを紹介し、更生施設の概要を知ってもらいました。それに加え、更生施設の課題として「制度と対象者のミスマッチ」を取り上げ、新たな社会資源の創設における利用対象者の変容について説明しています。

 また、学生さん達に対し、生活困窮の背景について考えてもらえるように、「もし明日両親が亡くなる等の、不幸があったらどうするか」という質問を投げかけ自分事として考えてもらいました。「両親が亡くなったら学校の学費はどうするの?」「生活も自分一人でやることになるけど大丈夫?」等の投げかけをする中で、学生さんの多くが、考え込んでいました。生活困窮の背景には、両親の死別に限らず、罹患、失職、事故、災害等とリスクは存在します。それらに対して、常日頃から対策を練っておくことも大事だと、改めて考えさせられました。

 講義の最後には「課題ではなく、人を見る事」について大竹施設長から話しをしていただきました。この言葉は、私たち指導員も忘れてはいけない事だと改めて考えさせられました。ついつい利用者の課題にばかり目を向けがちですが、その課題は、あくまでその人の一部分でしかないです。「人を見る事」=「人に興味を持つこと」に繋がると私は考えますが、学生の皆さんにはぜひ利用者に興味を持って実習に臨んで欲しいと思います。

 今回、文教大学の講義を通じて、更生施設の紹介をさせていただきましたが、学生さんの反応を見る限り、改めて更生施設の知名度の低さを痛感しました。

 

 学生の皆さんには、今回の講義を通じて更生施設について少しでも興味を持っていただけたら幸いです。また、学生の皆さんに限らず更生施設の知名度の低さは、課題の一つです。利用者に対する支援を少しでも良くするためにも、多くの人に更生施設という社会資源を知ってもらう必要があり、その為にも外部への発信を続けていきたいと思います。

 最後になりますが、学生さん達の実習が今回の講義を通じてより良い経験になる事を願っています。また、今回このような場を提供して頂いた、橋本先生、宮地先生並びに関係職員の方々、そして講義を聞いていただいた学生の皆さんには改めてお礼申し上げます。

 

更生施設 浜川荘

指導員 海野 雅裕

社会福祉法人 有隣協会 

 

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